例題

3級
2級
準1級
一次
準1級
二次

ビジネス選択理論能力検定3級 試検問題例

例題1 基礎知識

以下の文章を読んで、正しいものには〇、誤っているものには×を記入しなさい。

問1.選択理論心理学は、当初は「コントロール理論」という名称だった。

解答はこちら

【解答】

【解説】
文章のとおりです。
選択理論は、アメリカの精神科医ウイリアム・グラッサー博士が1996年に提唱した心理学で、当初は「コントロール理論」という名称でした。

(参考:3級公式テキストP11・13)

問2.行動主義心理学は、認知心理学の後に誕生した。

解答はこちら

【解答】
×

【解説】
行動主義心理学は、認知心理学の前に誕生しました。
行動主義では、環境を整えれば人の行動はある程度予見可能であるという見方をし、「パブロフの犬」の実験などが有名です。 しかし、行動主義ではみられなかった「内面的な心の動き」を検証するために、認知心理学が登場しました。

(参考:3級公式テキストP10)

問3.グラッサー博士は公教育などにも関心を持ち、選択理論を応用した学校であるクオリティ・スクール設立など、カウンセリングに留まらない取り組みをした。

解答はこちら

【解答】

【解説】
文章のとおりです。
クオリティ・スクールを目指す学校は全世界で250校を超えています。

(参考:3級公式テキストP11)

例題2 外的コントロールと内的コントロール

問1.グラッサー博士は、外的コントロールの第三の信条を次のようにまとめている。
空欄(①)~(④)を埋め、文章を完成させなさい。

外的コントロールの第三の信条
私の言うとおりのことをしない人をばかにし、脅し、( ① )を与える、あるいは、 言うことを聞く人に( ② )を与えることは、( ③ )ことであり、 私の道義的な( ④ )である。

解答はこちら

【解答】
①罰
②褒美
③正しい
④責任

(参考:3級公式テキストP15)

問2.あなた宛に電話が鳴り、あなたが受話器を取ったとします。
(1)外的コントロールの考え方に基づくと、どのようにこの行動を説明しますか。

解答はこちら

【解答例】
電話が鳴ったという刺激に反応し、受話器を取った。

【解説】
外的コントロールとは、「人間の行動は、外部からの刺激に反応することで起こる」という考え方です。
そのため、外的コントロールの考え方に基づくと、 「電話がなったという刺激に反応し、受話器をとった。」と説明することができます。

(参考:3級公式テキストP12)

(2)内的コントロールの考え方に基づくと、どのようにこの行動を説明しますか。

解答はこちら

【解答例】
電話がなったという情報を受け取り、受話器を取るという行動を選択した。

【解説】
内的コントロールとは、「あらゆる現象や状況は情報に過ぎず、 私たちは情報をもとに自分でその時自分にとって最善と思われる行動を、 内発的に選択している」という考え方です。 そのため、内的コントロールの考え方に基づくと、 「電話が鳴ったという情報を受け取り、受話器を取るという行動を選択した。」と説明することができます。

(参考:3級公式テキストP13)

例題3 5つの基本的欲求

以下の文章はAさんの日記です。 この日記を読んで、Aさんは、5つの基本的欲求のうちどの欲求が強いといえるでしょうか。 また、なぜそう思ったのかについても答えなさい。

6月2日
今日は最高の気分。Z社にコンペで勝ったからだ!上司からも、よくやったなと褒められた。 これで、ずっとこえられなかったS先輩にも、営業成績で勝つことができて本当に嬉しい。 初めての全社1位、達成だ。 先月、寝る間も惜しんでどうやったらコンペに勝てるかを考えぬいて、実行した甲斐があったからだな。 よし、明日も頑張ろう!

6月4日
同期の飲みの誘いを断ったら、付き合いが悪い、足並みそろえてよと言われた。 だいたい飲み会にいかなかっただけで、どうして文句を言われないといけないんだ。腹が立つなぁ。 プライベートな時間くらい、自分で自由に決めたいし、誰かに束縛されるとうんざりするんだよな。

6月8日
他社で売れている商品をいろいろ研究してみて、 うちの会社だったら、もっとどうすればお客様に喜んでもらえるか?を考えてみた。 朝4時までかかっちゃったけど、これは絶対にお客様の役に立てる。 企画書をまとめて、早速上司に提案してみよう。

解答はこちら

【解答例】
力の欲求と自由の欲求

【理由】
力の欲求
コンペで勝つために、寝る間を惜しんで考え実行したこと、 S先輩に営業成績で勝つことができ嬉しいと言っていること、 どうすればお客様に喜んでもらえるかを考えていることから、 力の欲求の競争や達成、貢献が強いと読みとれるから。

自由の欲求
飲み会を断り文句を言われたことに対して腹を立てていることや、 プライベートな時間を自由に決めたいと言っていることなどから、 人にあれこれ言われたくない、束縛されたくないといったことが読み取れるため。

(参考:3級公式テキストP28・30)

例題4 上質世界

問1.上質世界の3要素を答えなさい

解答はこちら

【解答】
私たちがともにいたいと思う人
私たちが最も所有したい、経験したいと思う物
私たちの行動の多くを支配している考え、信条

(参考:3級公式テキストP38)

問2.あなたの経験のなかで、2名以上で同じ状況・事実に対して異なる捉え方をした例を挙げ、 なぜ捉え方が違ったのか、それぞれの上質世界をもとにして説明しなさい。

解答はこちら

【解答例】
職場でリモートワークが実施され、出社する回数が以前の2割程度に減少したことに対して、 私は嬉しいと思ったが、Mさんは残念そうにしていた。
私の上質世界には、静かな環境で働き、生産性をあげている自分が入っている。
オフィスでは、近くに営業部門の席があり、あまり静かな環境ではないため、自宅で集中できることは嬉しかった。
しかしMさんは、チームで一体感をもってプロジェクトを進めたり、 会話をすることが上質世界にあり、人と会う回数が減るリモートワークに対して、悲しんでいた。

そのため、私とMさんの上質世界の違いから、同じリモートワークという状況に対して異なる捉え方をした。

【解説】
同じ出来事や状況を目にしても、人によって異なる捉え方をしていることがあるのは、上質世界が違うからです。 上質世界とは、5つの基本的欲求を1つ以上満たすイメージ写真が貼り付いている記憶の世界ですが、 個人の経験によってイメージ写真が蓄積されるため、全く同じ上質世界を持つ人はいません。 一人ひとりの上質世界は違うものだという前提を持つと、異なる認識を持っていることを受け入れやすくなります。

(参考:3級公式テキストP44)

例題5 全行動・創造性

以下の文章を読み、次の問いに答えなさい。

AさんとBさんは、入社3年目の会社員です。半年前に営業から経理へ異動したAさんが、浮かない顔をしているのを見かけ、同期のBさんは、Aさんをランチに誘いました。

Bさん: 営業から経理に異動して、もう半年かぁ。どう、慣れた?
Aさん: うーん…はっきり言って、やっぱり営業の方がおもしろいな。
営業は、お客様からありがとうって言われるし、頑張れば社内で表彰してもらえる。
経理は今、決算前で本当に忙しくて、みんな手一杯だから、ただひたすら黙々と仕事を片付けるっていう雰囲気なんだよね。
Bさん: そんなに忙しいんだ。なにが一番大変なの?
Aさん: 僕が異動する前に1人が退職、1人が産休に入って、それぞれがかなりキャリアもある人たちだったから、部署全体で仕事が回ってないんだ。
おまけに、僕は経理が当たり前にやっていることを、全部は把握していないから、計画もうまくたてられないまま、決算を迎えてしまって。はぁ~。
Bさん: それは本当に大変だね。身体が心配だよ。
Aさん: 体力はあるから、身体は元気なんだ。
でも、実はこないだ僕がしてしまったミスのせいで、先輩全員夜まで残業になってしまったんだ。
いつもは優しい経理部長からも、「半年たっても、これくらいしかできないのか」と言われて、(1)落ち込んでいるんだ。
Bさん: そうか……。それは辛かったね。
Aさん: (2)あーあ。営業職には戻れそうにもないし、つまらない仕事ばっかりだし。もう嫌になるよ。

問1.下線部(1)とあるが、人が落ち込む理由は、選択理論では何と言われていますか。説明しなさい。

解答はこちら

【解答】
怒りを抑えるため
援助をもらいたいため
逃避するため

(参考:3級公式テキストP44)

問2.下線部(2)とあるが、このあと、さらにAさんの話を聞いたところ、 Aさんは将来、営業マネジャーとして活躍をしたい、と強く思っていたことがわかった。 選択理論によると、自分が求めるものを手に入れられなかったときに取ることができる対策は3つある。 空欄(a)(b)(c)について、あてはまる言葉を答えなさい。

( a )を変える
( b )を変える
( c )を変える

解答はこちら

【解答】
( a 見方 )を変える
( b 求めているもの )を変える
( c していること )を変える
※順不同

(参考:3級公式テキストP51)

問3.あなたがAさんであれば、問2で答えた対策を、それぞれどのように行いますか。 具体的なアイディアを考えて答えなさい。

解答はこちら

【解答例】
見方を変える:
営業マネジャーになるうえで、会社の数字に強くなれる今の部署は長期的にみると、よいキャリアにつながる修行だと思う

求めているものを変える:
営業マネジャーになることにこだわらず経理部でマネジャーになることを目指す

していることを変える:
経理部で誰もが目を見張る仕事をし、結果を出す人材に成長してから、もう一度営業に戻りたいと会社に交渉する
上司に相談をする など

【解説】
見方を変えるとは、
事実に対する捉え方・考え方を変えるということです。

求めているものを変えるとは、
自らが手にしたいと思っている上質世界にあるイメージ写真を貼り変えることです。

していることを変えるとは、
今している行動をやめ、別の行動を選択することです。
特に、コントロールできるものとできないものを区分して、コントロールできるものに焦点をあてることが重要です。

(参考:3級公式テキストP51)

ビジネス選択理論能力検定2級 試検問題例

例題1 カラーチャート

問1.以下の文章を読み、空欄ア~ウにあてはまる言葉を答えなさい。

情報は、私たちの五感が構成する( ア )を通過します。
( ア )で捉えることができない情報は、脳に入ってきません。
( ア )によって捉えられた情報は、脳に入る情報を選別するフィルターである( イ )を通り、
その後( ウ )を通ります。

解答はこちら

【解答】
ア 感覚のシステム
イ 知識のフィルター
ウ 価値のフィルター

【解説】
感覚のシステムは、私たちの五感が構成しています。
紫外線を色として知覚できないように、感覚のシステムで捉えることができない情報は、
私たちの脳には入ってきません。

知識のフィルターは、脳に入る情報を選別するフィルターです。
知識のフィルターには、私たちが知っているすべてのものが含まれています。
知識のフィルターを通った情報は、
(1)知覚したものが何であるか分かり、自分にとって何らかの意味のあるもの
(2)知覚したものが何かわからないが、自分にとって何らかの意味があると信じるもの
(3)情報が何であるか知覚しようとしまいと、自分にとって意味のないもの
の3つに分類され、(3)の情報は、注目する必要のないものとして認識から脱落していきます。

価値のフィルターは、上質世界にあるものがすべて含まれています。
知覚した情報を、上質世界にある「自分の欲しているもの」と比較して、
良いものであれば肯定的価値を、良くないものであれば否定的価値を、
どちらでもないものに中立的価値をつけます。

(参考:2級・準1級公式テキストP56-57)

例題2 リードマネジメント

問1.グラッサー博士は、リードマネジメントにおける基礎的な考えとして、3つ提示している。
その3つを答えなさい。

解答はこちら

【解答】
・上質を追求する。
・他者評価ではなく、自己評価をうながす。
・強制しない。職場から恐れをなくす。

(参考:2級・準1級公式テキストP73)

問2.以下の文章を読んで問いに答えなさい。

Aさんは総務部の課長で、入社2年目のBさんの上司です。
今月末に会社の50周年パーティーがあり、総務部はその準備に追われて毎日残業が続いています。

今日、Bさんが発注したお菓子の数が間違っていることが分かりました。
発注先から納品場所の確認があったことをきっかけに、本来10個の注文でよいところを、
Bさんが入力を誤り100個注文していたことが発覚したのです。
幸い以前から親しくしている発注先であったことと、納品日が2週間先だったことで、
個数は10個に修正してもらうことができました。

Bさんは今月に入ってから、このようなミスが続いています。
ミスが発覚したときBさんは、前任者から引継ぎを受けていないこと、
初めての業務ばかりを担当していること、毎日私はこんなに残業して頑張っているのだから
少しくらいのミスは仕方がないじゃないと言っていました。

そこで、一通りの対応が終わった後、A課長はBさんと話し合うことにしました。

あなたがA課長であれば、このあとBさんに対してどのように関わりますか。
リードマネジメントの要素にある、事実を話し合うための2つの規則をふまえて答えなさい。

解答はこちら

【解答例】
まずBさんは、少し感情的になっているように見受けられるので、
毎日遅くまで準備をしてくれてありがとうと感謝を伝え、初めての業務が多く、
大変ななか仕事を進めてくれていることに対して理解を示す。
その際、Bさんがどうしても感情について話をしたい場合は、
短い時間だけ話してもらい、そのことを否定せずに傾聴する。

次に、事実を話し合うための2つの規則にのっとり、感情に焦点をあてず、
過去の問題には触れないようにしながら、誰が・いつ・何をしたか、事実を確認する。
今回であれば、いつ注文をしたのか、注文の仕方を教わったのか、
注文をするときどのような確認をしているのかなど事実の確認を行う。
そして理想の仕事の進め方はどのようなフローで、
ミスを起こした時の仕事の進め方はいつもと何が異なっていたのか、
どうすれば改善することができるかについて質問をする。

最後にいつも応援していることを伝え、
何かサポートできることがあればいつでも相談してほしいと伝える。

【解説】
事実の話し合いを行うための2つの規則とは、
①感情に焦点をあてない
②過去の問題に触れない
ことの2点です。

過去に起こった出来事や問題に対して、同じ意見を持っていることは多くありません。
そのため常に現在の問題に焦点を当て、
誰が・いつ・何をしたかということをはっきり確認することが大切です。

また、目的は誰が悪かったかという犯人探しやあらさがしではなく、
どうすれば現在の行動の修正ができるかを検証することです。
そのため、感情に対して話し合うことは効果的ではありません。
しかしどうしても部下が感情について話したい場合は、
ごく短時間だけ話してもらい部下の言うことをあからさまに否定せず聞くようにすることが大切です。

(参考:2級・準1級公式テキストP87-90)

ビジネス選択理論能力検定 準1級一次 試検問題例

第1部 例題1

以下の文章を読み、正しいものには〇、そうでないものには×をつけなさい。

(1)グラッサ―博士も影響を受けた、デミング博士は、マネジャーの責任について、「マネジャーはシステムを通じて、コストに関係なく最高の品質を生み出さなければならない。マネジャーはシステムを改善し続ける責任がある」と述べている。

(2)ボスマネジメントの上司は、結果に焦点を当て、責めたり脅したりすることで改善を図ろうとするのに対し、リードマネジメントの上司は、メンバーの成長を念頭に置き、プロセスに焦点を当てて現実を直視させる。

(3)他者評価は一見すると評価の平等性が担保されるように見えるが、評価に対して納得性がなく、被評価者に不満が溜まりがちである。自己評価はその点、被評価者は納得しやすいが、自己評価をうながす際には、最低限求められる基準について伝える必要がある。

(4)リードマネジメントは、人間関係のみを重視するマネジメントではなく、成果についても重視する。なぜならば、成果が出なければ、会社であれば倒産をしてしまうこともあり得るからである。そのため、人間関係のみを大切にする「甘やかしの状態」とは根本的に異なる。

解答はこちら

【解答】
(1)✕
(2)〇
(3)〇
(4)〇

【解説】
(1)エドワーズ・デミング博士は、組織におけるマネジャーの責任について
「部下は、システムの中で働いている。マネジャーはシステムを通じて、最低のコストで最高の品質を生み出さなければならない。マネジャーはシステムを改善し続ける責任がある」と述べています。

(参考:2級・準1級公式テキスト P69)

(2)文章の通りです。

(参考:2級・準1級公式テキスト P72)

(3)文章の通りです。

(参考:2級・準1級公式テキスト P73~74)

(4)文章の通りです。

(参考:2級・準1級公式テキスト P71)

第1部 例題2

リードマネジメントにおいて、「当然の結果を経験させる」という項目は近年扱われなくなった。
理由を具体例とともに述べなさい。

解答はこちら

【解答例】
例えば「勤務態度が悪いことが続いたためため昇進できない」ということは、当然の結果の範疇です。しかし、「当然の結果」の解釈がゆがめられ、「勤務態度が悪いことをみんなの前で馬鹿にする」といった外的コントロール的な関わりがなされることを グラッサー博士が危惧したため、近年では扱われなくなりました。

※解答例は、あくまでも模範解答の1つです。この答えだけが正解ということではありません。)

(参考:2級・準1級公式テキスト P97)

第2部 例題1

以下の文章を読んで問いに答えなさい。

Aさんは、総務部の主任です。
Bさんは、2か月前に異動してきた総務部のメンバーの一人です。
Cさんは、総務部も含めたコーポレート部門の部長です。

Bさん: A主任、すみません、報告です。
営業部から、明日までにクリアファイルが1000部ほしいと要望をいただいていたのですが、発注が漏れていました。申し訳ありません。
Aさん: えっ。今から発注して間に合うの?
Bさん: いえ、どんなに急いでも、明後日の午前中納品になるそうです。営業部のD課長からは、午前中ならギリギリ間に合うから、大丈夫だと言われました。
Aさん: そうか。まぁ、営業部が間に合うというなら、そんなに大したことじゃないよ。なんで発注が漏れたの?
Bさん: 依頼をいただいた時点で、総務部の発注リストに転記しなければいけなかったのですが、途中で他の対応が入ってしまい転記を忘れていました。
Aさん: そうか。次はどうしたらこういう発注漏れってなくなりそうだと思っている?
Bさん: 依頼をいただいた時点で、やるべきことをやるということだと思います。忘れないようにします。
Aさん: そうだな。うん、人間だからこういうこともあるよ。次からは忘れないように、気をつけて。よろしく。
Bさん: はい。かしこまりました。申し訳ありませんでした。

Bさんは、異動してきてからミスが続いています。先月は総務部が管理している棚卸しの際に、在庫の確認を最後までしなかったことで総務が管理している消耗品の在庫が切れてしまうということがありました。A主任とBさんは、ミスがあるたびに改善計画を立てているようですがミスの件数は減っていません。

問 あなたがC部長であれば、この状況で、A主任やBさんに、どのように関わりますか。リードマネジメントの要素に基づいて、なぜその関わりが効果的だと思うかも説明しなさい。
なお、答えるにあたり、情報が不足している部分については、推測したり、条件をつけたりしてもかまいません。

解答はこちら

【解答例】
A主任は、ミスがあったときにどのように対応すればよいのか 知識や経験が不足している可能性がある。そのため、A主任にも同席してもらったうえで、Bさんとの面談を行いミスが起きた際に、どのように対応をすればよいかを、一度自分がやって見せる。

Bさんとの面談のなかでは、特に次の点を意識する。

(1)自分は部長という立場であり、少し距離もあるため、支援的な人間関係をつくることを意識する
・「いつもありがとう」など、日頃の労をねぎらう言葉をかける。

(2)事実を話し合う
・何月何日に、営業部門の誰から、どのようにして発注依頼があったのか(口頭なのか、メールなのかなど)依頼を受けたときのことを確認する
・発注が漏れていることにいつ、どのようにして気づいたのかを確認する

(3)部下に自分の仕事を評価してもらう
・本来あるべき仕事の流れは、どのような流れなのかを聞く
・今回の仕事のプロセスは、どの部分が違ったのかを具体的に洗い出す
・正しいプロセスで仕事をすることを妨げているものは何かを聞く
・必要に応じて、総務部に期待されている役割や「依頼を受けたら、実行する」という、ビジネスパーソンとしての当たり前の基準について情報を提供する
・今の自分の仕事の基準は、理想のビジネスパーソン像と比べるとどのレベルだと思っているかを聞く

Bさんは、あるべき仕事のプロセスが、本人の整理された行動になっていない可能性が 高いと考え、「事実を話し合う」ことと、自分の仕事を評価してもらうことに重きを置く。

また、面談が終わった後は、A主任と時間を取り、主任という仕事に求められる基準を伝える。

(※解答例は、あくまでも模範解答の1つです。この答えだけが正解ということではありません。)

【解説】
グラッサー博士は、リードマネジメントの要素として、8つを挙げています。

・支援的な人間関係をつくり上げる
・事実を話し合う
・部下に自分の仕事を評価してもらう
・改善計画を取り決める
・しっかりした決意を取り付ける
・言い訳を受け入れず、仕事の話を進める
・罰したり、批判したりせず、責任を自覚させる
・簡単に部下のことをあきらめない

A主任とBさんのやり取りを、この8つの要素に照らし合わせると以下のような課題があると推測できます。
なお、以下はあくまでも一部の例です。他の見方もあります。

・事実が話し合われていない
「なんで発注が漏れたの?」
「依頼をいただいた時点で、総務部の発注リストに転記しなければいけなかったのですが、途中で他の対応が入ってしまい転記を忘れていました」
というやり取りは、事実を話しているように見えますが、記憶をベースにした報告の可能性が高いです。
また、事実を話し合う目的の1つは、現在の行動の修正が可能かどうかを確認することにあります。例えばここではBさんは「転記を忘れていた」と言っていますが、「忘れた」という行動に対する改善計画は立てづらいです。 「依頼を受けたときから、発注漏れが発覚するまでのプロセスを具体的に教えてくれる?」 等、改善につながる事実の話し合いが必要だと言えるでしょう。

・部下に自分の仕事を評価してもらえていない
「まぁ、営業部が間に合うというなら、そんなに大したことじゃないよ」 というA主任の一言から汲み取れます。
本来、自分の仕事に対する評価は、自分ですべきですが、A主任が「大したミスではない」と評価しているため、Bさんは自分の仕事の質を自分で振り返っていません。

・改善計画が具体的ではない
「依頼をいただいた時点で、やるべきことをやるということだと思います。」 というBさんの一言から汲み取れます。
いつ・誰が・何をするのか、進捗をどのように確認するのか、などの具体性に欠ける 改善計画になっています。

解答例では、A主任にBさんとの面談に同席をしてもらうことをC部長の行動として挙げていますが、 上記のような観点をもとに、A主任と面談をし、Bさんのマネジメントについて振り返りを行い それをもとに、A主任とBさんで再度話し合いをしていただくことも効果的な関わりと言えるでしょう。

ビジネス選択理論能力検定 準1級二次 ロールプレイ試検の流れ

試検概要

ロールプレイでは、マネジメントに関するケースを用いて、上司と部下の1対1の面談を行う。時間は15分間で、受検者が上司役となり、面談を進める。

当日の流れ

受付終了後、ロールプレイケースをお渡しします。 5分後から試検がスタートします。

ケース事例

あなたは、メンバーが5名が所属する営業所の所長です。
5名のメンバーの主な業務は、既存のお客様のフォローと、新規の開拓の2つです。

メンバーの一人である田中さんは、営業3年目の26歳のスタッフです。

田中さんは、人柄がよく、サポーティブな立ち回りを得意としています。チームメンバーや他部署の人たちからも、とても感謝をされています。

一方で、やるべきことを後回しにしてしまいがちなところがあり、先月の営業数値の目標達成率は7割にとどまっていました。過去1年間、目標達成した月もあればしていない月もある、という状態です。

3か月に1回行っている定期面談では、田中さんは「リーダーに昇格していきたいと思っている」と話していました。そのときにあなたからは「リーダーになるために欠かせないのは、きちんと自分の数値目標を達成することである」ということを伝えました。田中さんも面談のなかでは「はい、達成します!」と決意してくれていましたが、その面談を終えてから2か月連続で未達成に終わっています。

先々月未達成に終わった後も、あなたは田中さんと振り返りの面談を行いました。そして、達成するためにどうすればよいか、具体的な計画を一緒に立てました。田中さんは「やるべきことはわかっているので、あとはやるだけです。大丈夫です」と言っていました。

田中さんはお客様の多いエリアを担当しているので、きちんと既存のお客様の保全のためにすべきことを実行しながら、新規のお客様開拓を行えば目標達成はそう難しくありません。

しかし、結果は先月も未達成で終わりました。このままいくと3か月目も未達成に終わってしまうのではないか、そう懸念をしたあなたは、田中さんと再度面談をすることにしました。この状況で、あなたは田中さんにどのように関わりますか。

※本動画内のロールプレイは、1つの事例としてご覧ください
※本動画内には含まれていませんが、実際のロールプレイでは、15分経った時点で、タイマーが鳴り、ロールプレイは終了となります
その後、別室にて振り返り用紙を記入していただき、試検は終了です

PAGE TOP